〜不思議の国の住人達〜

初めに・・。

これから書かれている『ファンタジア版!不思議の国の住人達』は

不思議の国のアリスのパロディものです。

アリスファンの方は、見ない方が賢明かと存じます。

ちなみに、ここで主人公のレイチェルはみなさんに会う前と

言う感じのアナザーになっております。

meira

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暖かな昼下がり・・レイチェルはいつもの様にビショップとしての

仕事を一段落させ、ラジアハンド城敷地内にある、ライトグリーンズの

庭でしばしの休息をとっていた。

「ふぁぁぁ〜なんだか今日は疲れましたわ〜」

そう言いながらレイチェルはふかふかの布団の様に

柔らかく、太陽の光を浴びて心地よい暖かさになっている

緑色の絨毯、ライトグリーンズ自慢の芝生に横になった。

「まっく・・いつも同じ事をグダグダぁ・・と・・---」

グチを言いながら寝ころんでから数分後・・彼女は早々と記憶が遠ざかっていくのを

感じていった・・・・。

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「ふぁぁぁあ〜〜!!良く寝ましたわ〜!!」

むっくりと眠そうに起きたレイチェルだったが、何故か

あまり心地悪い寝起きではない。

むしろ、すっきりとした寝起きだ。

「さて、そろそろ戻らないと・・ルンドに叱られますわ〜」

そして、手を着いて起きあがろうとした・・その時!!

「わぁぁあぁぁあ!!!遅刻するーーー!!」

レイチェルの眼前を、肌が白く、赤い瞳を持った銀髪の

青年がもの凄いスピードで駆け抜けて行った。

「・・・??あら?ここの庭は今日は一般公開の日でしたかね〜?」

駆け抜けていった青年をあっけにとられながら見送ると、

なにか前と風景が変わっているのに気付く・・。

「あら?模様替えでもしたのかしら〜?」

しかし、そんなことはお構いなしにレイチェルは城を探し始める。

「あら〜ありませんわね〜模様替えついでに引っ越しも

したんでしょうか〜?」

そして、北へ南へ〜〜東へ西へ〜〜♪と探し始めた

レイチェルだったが、城どころか

人っ子一人見つからない・・。

そうしている間に、もう一つ・・

いつもと違う点に気付いた。

それは自分が着ている服・・・・・。

いつものシンプルな司祭の服とはかなりかけはなれた

青いワンピースにかわいらしいフリルの付いた

白いエプロンを付けている。

そして、極めつけは頭に付いた重たいくらいの

大きな黒いリボン・・。

「おかしいですわね〜」

レイチェルは自分の置かれた状況をあまり気にしていない様に

のんびりとした口調で言った・・。

しかしその時!向こうの林から、この異常事態から

二人目の人の声が聞こえてきたのだった。

「ブツブツ・・忍法!この葉隠れの術!!」

林の影から声の主を覗いて見ると、そこには

緑色の髪を持つ若い青年が忍法の練習をしているところだった。

ラジアハンドではあまり見たことの無い魔法(忍法)を林の影からひっそりと

覗いていたレイチェルは、次第にその不思議な魔法を研究したい!

と・・言う。困った癖がでてきてしまった。

「あ、あの〜ちょっといいですか〜?」

「!!!!」

いきなり声をかけられてビックリしたその青年は

レイチェルの方に反射的に振り向いた。

「なんだか。かっこいい魔法ですわね〜どうやってるのですか〜?」

「え!!そ・・それは・・」

いきなり見ず知らずののほほーんとした妖しい格好のエルフに

一族の秘術とも言える忍法を教えてくれとせがまれて

青年は苦笑しながら後ずさった。

「もう一回さっきのやって見せてください〜!!」

「そ、そんな・・え、えと・・」

「さぁ〜〜〜!」

「だ、駄目ですーーー!!」

−−−−−−−−−バンッ!!

あまりの押しの強さに身の危険を感じたのか、

青年はとっさに懐から小さな丸い物体を取り出し

地面に向けて思いっきり打ち付けた!

黙々と立ち上る煙が消えた後には青年の姿はもう消えていた。

「あら〜いなくなってしまいましたわ〜

残念ですわ〜新しい研究が出来るとおもったのに〜」

レイチェルが悔しそうにポツリと呟いた。

しかし、煙が完全に消えると、さっきまで青年が立っていた

位置に・・大きな・・肩幅ほどの穴が空いていたのだった。

「こ・・これはなんでしょう〜?」

レイチェルはすぐさま興味本位で穴を覗こうと

顔を近付ける・・。

その穴の中は闇がひしめいていた。

「なんだか・・深そうですわね〜・・そうですわ!いい方法がありますわ〜」

レイチェルは何かひらめいたように近くにあった小石を穴に落としてみた。

しかし・・・

−−−−−−−ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーー

「結構深そうですわね〜」

−−−−−−−ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーー

「まだまだ深いんですの〜?」

−−−−−−−ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーー

「まだありますの〜?」

−−−−−−−ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーー

「・・・・・・・」

結局しだいに小さくなっていく音を最後まで

聞くことは出来ずに終わってしまった。

「さ、さてと〜お城探しを再開しましょうかしらね〜」

レイチェルは何かに逃避したようにスタッと立ち上がり

城を探す様に辺りを見回した。

しかし、ここはお約束とでも言おうか・・

レイチェルは立ち上がると同時にバランスを崩し・・

そのまま穴にダイブしてしまったのだった・・。

「いやですわぁぁぁ〜〜!!」

そして波乱は続く・・。


「いやですわぁぁぁぁ〜〜!!!」
レイチェルの悲痛な叫び声も虚しく、彼女の身体は
闇に呑み込まれていく。


数時間後・・レイチェルはあまりの息苦しさに
飛び起きた!
「きゃあ!」
-------きゃあ??
発したのは自分ではない事を確かめてから
くるりと振り返ると、そこには沢山の飴が入った
バスケットをかかえた少女が飛び起きたレイチェルに
驚いてバスケットの中味が辺りに散乱している所だった。

「あらら〜飴ですわ〜?あなたが売ってらっしゃるの?」
四方に散らばった飴を拾いつつ、レイチェルは
その少女の耳がふわふわの毛で覆われていることに気が付いた。
「あら?あなた、獣人さんなのね〜かわいらしいわ〜」
「そうですか?ありがとうー」
やっと少女が微笑んでくれたのでレイチェルの思わず
微笑みを返してしまった。

辺りを見回すと、上の方から一筋の光が指しているのが見えた。
きっと自分はあそこから落ちてきたのだと思うとすこし
背中がゾクゾクとしてきた。
・・よく生きてたわね〜。
しかし、落ちてきたというのにレイチェルの五体のどこにも
異常はなさそうだ。
もしかしたら痛みを通り越しているのかもしれない。

そんな事をぼーっと考えているうちに、少女は飴を拾い集め
そさくさとレイチェルから離れていく。
「あっ!待ってください〜!1つだけ良いですか?」
「?。いいですよー私に出来る事なら」
「えっと、ココは何処なんでしょうか?」
「------えっ?」
その瞬間、少女の目が点になる。
レイチェルはこうなっても仕方ないな・・といった感じで
チラリと視線を下に向けた。
そんなレイチェルを見て罰が悪くなった少女は早口で言った。
「えーと、そう。ココはワンダーランドよ」
「ワンダーランド?」
「そう!もうすぐ女王さまがこの近くに来るの!
・・・まあ、あんまし良い女王さまとは言えないんだけど・・って!
このことを私が言ったの内緒ね!女王さまの悪口を言ったら
私の首がとんじゃうわ!!」
「・・・クビがとぶ・・」
この少女はこんなに若いのに何かの役職に付いているんだなぁ〜と
関心しながら呟いた。
『クビがとぶ』の意味をレイチェルは「役職をやめさせられる」の
意味で受け取ったわけだが・・。
「それじゃあ、私はもう行くわね。あっ、この飴あげるわ!」
そう言って少女が急いでバスケットの中からランダムに選んだ
飴をレイチェルの掌にポンッっと置くと
走るようにして奥の通路へと行ってしまった。
「飴ですわ〜おいしそうv」


そして、通路へと逃げるように向かった少女を二人の男の声が
呼び止める。
「どうだ?例のブツは手に入ったか?」
「ええ、まかせてよっ!」
「それで、見せてみろ」
「はいはい、わかったわよ!これでしょ!」
「これでしょ!・・って・・こんなにあるのか?」
緑色の短髪の男が少し気の弱そうな悲鳴じみた声をあげたが
隣にいた人間・・いや、身体を真紅の鱗で覆われた
リズマンによって頭を殴られる。
「そんなわけないだろ!それにアレは貴重なモノのはずだ」
「い・・いたひ・・」
「あー!そう言えばさっき驚いて全部ぶちまけちゃったんだった!」
「なにーーーーー!!」
少女の突然の告白に男の声が重なって通路に小さく響く。
「ちょっ!ちょっと静かにしてよ!えーと、まって・・
これじゃないし・・アレでもない・・えーと・・これ?」
少女がバスケットから選んだ飴を男達は即答で「違う」と答えた。
「えー!だってどんなのか覚えてないわよーー!もうっ!
あなた達も手伝ってよー!」
「うむ、しかたない・・」「はぁ〜嫌だなぁ」
そして、男達と少女はただ1つの飴を探すためにバスケットから
投げては捨て、投げては捨て・・を繰り返していた。

-------5分経過。
「飴ちゃん〜!」「無いな」「あっ!この飴おいしそー」
(パクッ)(バキッ!)←(謎)
-------10経過。
「あれ〜」「無いぞ」「ありませんねー」

「あれー!なんで無いのー!」
「それはこっちが聞きたい」
「ホントにこんなかにあったの?」
「そうよ!だって・・って!!!」
「???」
「あーーー!!(もがっ!!)」
突然の少女の叫び声に男達がすぐさま少女の口をふさぐ、
そして、誰も来ないのを見計らうとプハッ!と言う少女の
声と共に手を口から離した。
そして少女は思い出した様に言った。
「私、さっき・・女の子のエルフに1つ・・・」
「そ・・それだっーーーー!!!」
そしてまた男達の声が重なった大音量が通路に響いたのだった。

そんな事とは知らないレイチェルは
さっき会った少女とは反対方向の通路に向かっていた。
「ワンダーランドって言うことは・・どこなのかしら〜?」
長く生きているレイチェルの豊富な知識の中に
そんな名前の国や大陸は見当たらない。
そして、さっき貰った飴を見る。
そーいえば、女王様がどーだとか・・・。
会ってみれば何か分かるかもしれない。
そう考えたレイチェルは、
淡いピンクの飴玉の包み紙を丁寧にはがして中から出てきた
宝石のように美しい半透明の飴をゆっくりと口に入れようとした。
「いただきますわ〜!!」
「だっ・・駄目ーーーー!!」
その飴がレイチェルの口の中に入ったのと
さっきの少女が見知らぬ男2人を連れて
悲鳴をあげたのは、ほぼ同時だった。

流れる沈黙-----。
しかし、その間もレイチェルは食べた飴を口の中で
解かしていくのを止めない。
---------否。止められない。
それはレイチェルの意志に関係なく、飴のなにか得体の知れない
力によってレイチェルは飴を最後の最後までなめさせられていた。

-----そして、飴がレイチェルの喉をゴクリ・・っと通ると同時に
凝視したまま固まっていた3人を束縛していた何かが切れ、
ドッっ!!っと前に倒れ込む。
「あ、あの〜どうしたんですか?」
レイチェルは複雑な心境で3人に近寄る・・しかし。
「きっ・・きゃぁぁーーーー!!」
「まずいぞ!逃げるんだ!」
「わあぁぁあぁ!!」
3人が3人・・それぞれ叫び声をあげて一目散に
レイチェルから逃げるようにして
走り去っていってしまった。
「ええ!!??」
呆然とするレイチェルだったが、ソレは突然やってきた。

−−−−−−−−ドクンッ!
「なっ・・なんですのっ!」
−−−−−−−−−−−−−ドクンッ!
「身体が・・」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−ドクンッ!
「熱いですわ・・」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ドクンッ!
「○▲☆●□★▽◆ーーーーーー!!!!」
レイチェルはそのまま体中を巡る熱さと鼓動の速さに
急速に気を失っていった。

そして、その場に倒れ込んだレイチェルの身体には異変が起きた。

そう、レイチェルの身体はドンドン巨大化していったのだ。

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第二話目です。
まず、あやまっときます。ごめんなさい(爆)
御三人様方。口調とか途中でよくわかんなかったので
かなりへんてこりんになってしまいました(死)
しかも滅茶苦茶変な組み合わせだし。
けど、実名は出てないので誰が誰だか分かんないのあるかも・・。
そうゆうときは勘で当てて下さい。(爆)

かなりアリスの話から脱線してます・・
ごめんなさいパステルさん・・教えて貰ってるのに。

しかし・・進むの遅いなぁ。
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