=====壱==========================

碧月壱拾参日、軍都ダイワ

街道上、街を見下ろす小高い丘の上に名草姫とその供の能代深朱はいた。
王都アディンバルを発って街道を西北西に進むこと十余日。
まもなく昼という時間になって、
二人は軍都ダイワの見える位置まで到達していた。
「久しぶり…というほどでもないか。巡り三つほど前に来たでのう。」
「私は、家を出て以来初めてだな…。」
「そういえばお主は軍都の出身か。」
「ええ。どこか案内でもしましょうか?」
「案内は要らぬ。大方のところは見尽くしておるでな。
まあ、見たいところが無いでもないが今は早う城へ向かうとしよう。」
「では参りましょうか?」
「うむ。」
二人は駆竜に跨ったまま丘から飛び一気に街の門へと向かった。


軍都ダイワ。
テーヴァの政治の中心地。
実質テーヴァの支配者、
名目上はテーヴァの陸の武力を束ねる立場である
統幕将(単に統将ともいう)の住む街なため、軍都と呼ばれる。
そんな街だから当然街の大きさも相当なもので、
王都アディンバル、港ニワナとあわせて
テーヴァの三大都市と呼ばれるほどだ。
街への最後の関所を通った名草姫たちはそのまままっすぐに
街のほぼ中心にそびえる統幕将天原家の居城、
ダイワ城―通称黒帝城へと向かった。
城門前にたどり着くなり城を見上げて名草姫はのんびりと言う。
「言うてどうなるものでもないが、
あいも変わらずのいかめしい造りの城じゃ。」
「確かに白鳳のお城に慣れてるとそう見えますね。」
王城・テーヴァ城(白鳳城)が優美なつくりの白壁の城であるのと
対照的に、ダイワ城(黒帝城)は威圧感のあるつくりに
漆黒の壁が特徴だった。
それはさておき姫は視線を前に戻すとまっすぐ城に向かって進んでいく。
普段、城に一般人は入れない。
名は知られていてもその姿を知るものは少ない名草姫も
当然門衛に止められて許可証などがあるか問われた。
名草姫はうざったそうに深朱のほうを見て言う。
「深朱、手形。」
「はい、これを。」
「ふん、少し待ってろ。」
門衛は偉そうに言って門の中に戻る。
残っている門衛たちもどこか偉そうに名草姫たちを見ていた。
この門番たちも下級とはいえ侍階級。
10年前以来騒乱が多いせいか、
どこか平民階級を侍階級が見下す風潮が出ていた。
それは置いておいて、
引っ込んでいった門衛の侍が戻ってくるのが妙に遅い。
若干疲労のたまっている名草姫は既に機嫌が悪くなり始めている。
イライラと組んだ腕の二の腕を指でトントンと叩いている。
「…遅い。」
「姫、お抑えください。」
「分かっておるわ。」
「ならばよろしいですが…。短気は損気ですよ?」
「分かっておるというておろうが。」
言葉と反対に名草姫の声はどんどん不機嫌になってきている。
深朱は心配でならなかった。

…結局、深朱の心配は最悪の形で決着することになる。

さっきの門衛が上役らしい侍を一人連れて戻ってくる。
その上役の威張った態度と馬鹿にしたような声の第一声は
名草姫の不機嫌さをどんどん上昇させていく。
「名草姫とか名乗ってるのはお前か?」
「そうじゃ。」
「とてもビショップ様には見えないな。
偽名ならもっと普通なものを使え。」
「嘘をついてどうすると言うのじゃ。
見えないというならばおぬしの目が腐っておるだけじゃ!」
「…貴様、なんだその言い方は。侍に対する口の聞き方か!」
名草姫の胸倉をつかむ侍。
それを見た深朱は深々と溜息をついた。
「やかましいわ!
貴様ら下級侍などたかが戦をするためだけの存在ではないか。
偉そうにするでないわ!」
つかんだ侍の手をとってあっさりと投げ飛ばす名草姫。
不機嫌臨界点突破。
点火。
「急速展開、風弐ノ式、Wind・Burst!」
名草姫を中心に発生した爆風が、
捕らえようと駆け寄ってきた門衛たちをまとめて吹き飛ばした。

しばらく後、城内からは何度も爆音が響いてきた。
大抵数人分の叫び声をも一緒に響く。
「Flash・Ball!」
「「「ぐあぁぁぁっ!」」」
「Ice Bullet!!」
「「「うわぁぁぁっ!!」」」
「Thunderstroke!!!」
「「「「「だわぁぁぁ!!!」」」」」
毎回数人がまとめて吹き飛ばされていく。
もう何人が犠牲となったやら。
名草姫は目は光り、顔はシルエット…
もとい、柳眉逆立て口の端から鋭い牙がのぞいている。
深朱は額を押さえて溜息ばかり。
侍、槍使い、、弓使い、術使い。
どれも文字通り片手で吹き飛ばされ続けている。
侍も槍使いも名草姫に到達する前になぎ倒され、
弓使いの放った矢は途中で反転して放った当人をかすめる。
術使いが数人がかりで壁の魔法を用いて捕獲しようとしてきたが、
全てをいとも簡単に力押しで砕いた。
「邪魔じゃ邪魔じゃぁぁぁ!」
「姫…。」
「やかましいっ!」
「はぁ…。」
障害妨害踏み潰し。姫は城の奥へと進んでいく。
「お待ちなさ…い?」
かなり上の階層に進んだところで薙刀を構えた女性が立ちふさがる。
30代くらいだろうか?
きりっとした表情で立ちふさがったのだが、
名草姫を見て唖然とした表情に取って代わった。
そして名草姫の表情もその女性の顔を見て普通の表情に戻る。
女性は素っ頓狂な声を上げ、
名草姫は平然と、深朱は疲れた声で答えた。
「な、名草姫様ぁ!?」
「秋姫(あき)か。久しいのう。」
「お久しぶりです。扶桑様…。」
女性の名は扶桑秋姫(ふそう あき)。
次席老議(老議は大臣みたいなもの)だ。
まだ少し呆然としたまま名草姫に問う秋姫。
「何ですかこの騒ぎは…?」
「あの偉そうな門番が悪いのじゃ。」
よく分からない。
秋姫は深朱のほうに問い掛ける視線を向ける。
「えー…。」
深朱はひどく疲れた表情のまま話し出す。
話を聞いて秋姫も疲れた表情になった。
「姫様…ここでの無茶は止めてくださいとあれほど…。」
「そう思うならば末端の者まで礼儀を徹底させよ。」
「まあ、それは…。」
それは秋姫としても頭の痛いことだったりする。
「とりあえず、奥にお進みください。あとは何とかするので。」
「うむ、ならばたのむ。
そういえば深朱、お主、城に知り合いがおったのではなかったか?
会いに行きたければ行くがよい。」
「あ、では、お言葉に甘えさせていただきます。」
「ならこれを持っていくといいわ。」
「ありがとうございます、扶桑様。」
深朱は秋姫に短刀をわたされるとそれを持って別の場所へと歩いていく。
姫は機嫌を直し奥へと。
そして1人残った秋姫は、溜息一つついて下の階へ降りていった。

後日談だが、
名草姫を阻止することの出来なかった城仕えの者たち。
その中でも武術なり魔法なりに自信のあった者たちは、
揃って自身をなくしてしばらくの間ふさぎこんでしまったと言う。


=====弐==========================

黒帝城、執務の間

統幕将天原 由良(あまのはら ゆら)は
久しぶりに海から帰ってきた海軍正規艦隊総旗将
リュウジョウ・ハルナから雑談を交えつつ報告を受けていた。
と、襖の向こうに人の気配。
下が騒がしいと降りていった秋姫が帰ってきたのだろうと思い
声をかける。
「秋姫?下はなんだったのだ?」
「残念じゃが、ハズレじゃ、由良。」
「え…?(この声は…!)」
驚き立ち上がりかける由良。
が、ハルナのほうは驚いていなかった。
座ったままゆったりとした口調で声の主の名を呼ぶ。
「お久しぶりです、ヒメ。」
「おお?ハルナもおるのか。二人ともしばらくぶりじゃ。」
襖を開け入ってくる竜人の女性。
ビショップの名草姫。
立ち上がり賭けで驚いた表情の由良を見て少し苦笑する。
「なんじゃ?そんなに妾がここにおるのが驚きなのかえ?」
「あ、当たり前だ。な、何で?しかも1人で?」
「脱走ではないぞ。恒例の夏の休みじゃ。それに1人でもないぞ。
ここにはおらぬが深朱も…能代の末娘も来ておるぞ。
まあ、いつもどおり他の護衛などはほうってきたがの。」
「はあ…そうなのか。」
由良が驚きから回復するのにはまだ少しかかりそうだ。
名草姫はハルナのほうに視線を向ける。
「ハルナ、本当に久しいのう。いつ陸(おか)に上がったのじゃ?」
「昨日上がったばかりですわ。それまではずっと『鉄箱』暮らしでした。」
「『鉄箱』…。あのフネも古いからのう。
そう呼ばれてもいたし方が無いか。」
「ユノハのアマテラスが羨ましいですわ。」
鉄箱とは名草姫の言うとおり船のこと
―現正規艦隊旗艦、戦艦リンロク・コウのこと。
ユノハのアマテラスと言うのも船で、
現在テーヴァの軍事力の中核と言える二水軍の片方。
内海・南海方面に睨みを利かせるユノハ水軍の旗艦、
リュウトン・ケイ級戦艦二番艦天照のこと。
かたや艦齢30年、正規艦隊で、テーヴァ全海軍で最古の艦。
かたや艦齢1年未満、新型魔源石機関搭載の最新鋭戦艦。
同じ旗艦でもこうも差があるものか…。
閑話休題。

ゆったりと話すハルナだが実は結構なやり手である。
40代そこそこで正規艦隊総旗将など今までに無かったことだ。
大慌てしている由良にしても力量は尋常ではない。
テーヴァで統将を中心にした幕僚府による政治が行われだしたのは
竜人が消えたころから100年程あとのこと。
それからいくつかの乱、戦役、対外戦、継承戦争、開国戦争(内戦)を
へてもなおその政治体制は維持されてきたが、
王家に女王が生まれてもなお統将家は男児世襲という慣習を守ってきた。
が、開国後の内政改革の流れで女性の侍も増え、
ついに3年前女性統将が誕生した。
それがダイワ幕僚府第壱拾六代統幕将天原由良だった。
珍しいほどに取り乱した由良が落ち着くのを待って
城の庭園に場所を変えるとお茶をしながらゆっくり談笑する。
由良もハルナも今日の執務は全てキャンセル。
姫と個人的に話せるときなど年間数えるほどしか無いのだから。
「あ、ヒメ、一つ思い出したので悪いですが少し仕事のお話を。」
「うむ?かまわぬぞ。」
「まもなく海に出るフネにヒメの名をいただけないかと。」
「…はて?妾の名のフネは既におらなんだか?」
「5年前退役してます。」
「そうじゃったか?」
「ええ。ですので。」
「かまわんぞ。好きに使うがよい。」
「ではそのように。」
テーヴァの海軍の艦名、特に戦艦は有名な人名や守護竜の名が使われる。
その話の後は延々と由良がしゃべりまくる。
普段は寡黙でクールといわれてる由良だけに
見るものが見たら相当な違和感だろう。
「でさぁ、じいは毎度毎度、
『その程度のことが出来ませんではご先祖に顔向けできませぬぞ』
ってばっかり言うのよ。」
「じいやさん、由良さまのことが本当に心配なのですわ。
初の女性統将ということでほとんどの領主も旗将も
見下しているようなところもあると聞きますし。
そのために厳しくしているのでわ。きっと。」
「かなぁ。って、姫様、あんまりしゃべらないね。」
「聞いてはおるぞ。」
「ゆったりお話を聞いているのも楽しい物ですものね。」
「私はしゃべってるほうが楽しいけどな。」
「お主は普段喋らぬのじゃからつりあいが取れてよかろう。」
「あ、そーいえばそっか。あはは。」
「くすくす。」
「ほっほっほ。」
三人とも楽しげだ。
だが名草姫もそれなりに喋っているのだがずっと聞いていると
名草姫はどちらかというと聞役に回っている感じもある。
それからもいろんな話が続いた。
悩み事、愚痴、ただの笑い話。
途中家族の話になったときに少し名草姫の表情が曇りはしたが
終始和やかな時間が過ぎていった。


=====参==========================

碧月壱拾四日

軍都西、ダイワ港

川港としては中規模くらいの港には
いくつもの川用帆船が出入りをしていた。
魔源石機関が実用化されている現在だが
運用にかかるコストが莫大なため、
国家レベルでないと自走船の運用は不可能であり、
商船・客船などは全て帆船やガレー船だ。
民間レベルにまで自走船が普及するにはまだまだ時間がかかりそうだ。

ダイワ港はさっき言ったように川港だ。
港のあるクロエ川は継承戦争後の復興事業で
軍都の少し上流辺りから運河にされた。
鎖国に入ってからはさらに幅を広げ底を掘り下げ
テーヴァ西部内陸への重要な輸送路となっている。
現在では操船次第だが海用帆船でもは入れないことはない。

「ヒメー、こちらですー。」
そう言いながらとある岸壁のところで手を振っているのは
リュウジョウ・ハルナ―現海軍正規艦隊総旗将だ。
ヒメと呼ばれた人物―名草姫はもう一人の女性、能代深朱と
二匹の駆竜をつれてハルナのほうにやってきた
「待たせたのう。」
「いえ、ちょうどいい時間ですわ。」
「ならばよいが。ともかくよろしく頼む。」
「はい。」
ハルナは名草姫に笑顔で答えた。
名草姫の後ろに居る深朱は終始無言。
なにやら顔には湿布が張られていた。
船の上から船員の一人がハルナに声をかける。
出航の準備が整ったらしい。
名草姫たちは船に乗り込んだ。
海まで1日すこしの航程だ。


クロエ川上、海軍連絡川船第3クカマル

左舷側の船べり、丸くなっている櫻華にもたれつつ
名草姫はのんびりと河岸を眺めつつ昼食をとっていた。
風は少なく船足はゆっくり。
そのため景色の鑑賞は存分にできる。
「のんびりとした船旅もよいのう。」
ポツリと呟いたところになにやらうめき声が聞こえた。
名草姫は顔しかめて後ろを振り返り呆れた声を出す。
「深朱よ、船酔いになるのをどうこう言わぬが
せめてこちらの気分を壊すのはやめてくれぬか。」
「む、無理…。う…」
「…薬を飲んだほうがよいぞ。
酷い船酔いは体を壊すもとでもあるしのう。」
「は、い…。うう……。」
ずるずると這うように船室のほうに入っていく深朱。
入れ違いにハルナが出てきた。
「ハルナ、終わったか?」
「はい。ちょうど帰り着くころに終わっているようです。」
ハルナは通心で海軍の造船所とはなしていた。
自らの旗艦であるフネが現在定期整備に入っているため、
それがいつ頃終わるかを聞いていたのだ。
名草姫の傍らに座ると自分も昼食をとり始める。
「ゆっくりですね。」
「うむ。ゆったりとしたものもよいのう。
早いものが嫌いなわけではないがの。」
「私は、風を切るようなほどの速度が好きですが。」
「お主は元は駆逐艦乗りであったのう。」
「ええ。あの速度は今でも忘れられません。」
ハルナは子供のように楽しそうに言った。
船は進みやがて、海が見えてくる。
専用の水路を使って海には出ず直接港に入る。
船から降り立ち大きくのびをする名草姫。
そこにまた何やらうめき声のような物。
今度は加えて心配そうな櫻華ともう一匹の駆竜の声。
「ついたのう。深朱、まだ治らぬか?」
「ええ、まだ、少し…。」
「この辺りで休んでおれ。
「は、はい…。」
「櫻華、後を頼むぞ。」
「ワカッタ。」
名草姫は海側の岸壁のほうに向かった。
先に来ていたハルナのとなりに並んで夕日の沈む港を眺める。


海軍第一正規艦隊、ユキカ水城府(すいじょうふ)

岸壁にはいくつもの連絡用小型船と中型輸送帆船が2隻、
それからドックに入渠中の大型自走艦が1隻。
その向う、港の中ほどの泊地には大小の戦闘艦が十数隻停泊中。
戦闘艦はどれも自走艦のようだ。帆がない。
その中にハルナは見慣れぬフネを見つけ出した。
フネの型式自体は知っているがこのユキカには居ないはずなのだ。
首をかしげているハルナに名草姫は声をかけた。
「ハルナ、どうした?」
「いえ、ここに居ないはずのリュウトン級が。」
「正規艦隊の物は…リュウトン・ケイは西の天津におるはずであろう?」
「ええ、ですから…やっぱりユノハのものですね。」
しばらく眺めていた夕暮れ時の薄暗くなってきている中、
ハルナは何とかマストに上っているユノハ水軍の旗を識別した。
「(ということはあのフネはユノハ水軍の戦艦天照か。)」
納得するともう一度目を凝らしマストに登るもう二つの旗を確かめる。
一つは海軍旗。
それから…。
「母さん、久しぶり!」
「おおっ!?」
そう言う声がしたかと思うと名草姫に一人の女性が抱きついてきた。
驚きの声を上げる名草姫。
聞いたことのある女性の声と名草姫の驚きの声にハルナは振り返った。
名草姫は相手の顔を見るとまた驚きの声を上げる。
「イブキ、イブキか!?」
「そうだよ母さん。あたし♪」
心底うれしそうな声。
ハルナはそれが誰なのかを思い出し、
そして天照がここに居た理由、残り一つの旗がなんなのかに気がついた。

女性の名はユノハ・イブキ。
正規艦隊、辰波水軍とあわせて海軍を構成する
ユノハ水軍の現旗将だった。


『第参章、ユノハ水軍に続く』



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〜設定集〜

設定:

港ニワナ
西ユズハ領、副領都ニワナ。
テーヴァ国内の商業の中心地で西海岸の中央部にある。
広大な港に毎日ひっきりなしに船が出入りしている。
外国からの船は国境の港で国内航路の船に荷を積み替えることが
ほとんどなため、
外国航路の船が入港することはめったに無い。
なお西ユズハ領ではニナワ方言という
ちょっと変わった言葉が使われている。

通心:
遠距離と話すための魔法。
厳密には喋るのではなく心の声で話すテレパシーに近いもの。
専門の通心員が仲介して行う。

水城府
海軍の要塞のこと。
正規艦隊が各艦隊ごとに。ユノハと辰波がそれぞれ一つずつ持っていて、
後者二つは領都でもある。
ユキカ水城府はアディンバルの真西、港ニワナのすこし北にあり、
天津水城府はラマナーの南にある。

正規艦隊
海軍の幕僚府直属艦隊。
指揮官は主に統将家の家臣たちだが海軍学校出たものならば
元が平民だろうがなんだろうが指揮官になれる可能性はある。
全5個艦隊

ユノハ水軍
建国時以来続く水軍の名家。
3艦隊を有しテーヴァの海軍力の一角を担う。
領土もあり場所は大陸南端からその北西の半島にかけての地域で
ユノハ水軍領と呼ばれている。
領都は南端と半島で構成される湾の奥にあるユノミヤ。
領都は水城府でもある。

辰波水軍
ユノハ水軍と同じく建国以来の水軍の名家だが、
理由があって一時家が断絶して消滅してしまっていた。
953年に起きた水軍戦役後に紆余曲折あって復興。
現在2個艦隊を有し東の海ににらみを効かせる。

戦艦『天照』
リュウトン・ケイ型戦艦二番艦。
964年現在最新鋭の戦艦で主砲は魔法を発射する大砲の法撃砲で
それを4門、他にも小口径の砲と、船首に衝角(ラム)を持つ。
984年までユノハ水軍の旗艦を勤めた。


テーヴァ海軍
900年代初頭の鎖国終了ののち、
当時の幕僚府は他国との技術格差と内戦により疲弊した戦力などから、
他国による侵略を恐れた。
そのため、統将家直参の者たちと、
建国以来、数々の水上戦で勇名を馳せたユノハ水軍、辰波水軍
によって構成されたテーヴァ初の常設国軍である水軍を創設。
指揮権を幕僚府から独立させるため同時に水軍府が発足した。
常設武士団(陸軍)の創設も唱えられたが
各領主・旗将たちの強硬な反対意見
―幕僚府による絶対王政化を恐れた―により立ち消えとなった。
創設後数年経って海軍に名称変更。そののちも様々な改変を繰り返す。
現在、水軍府は戦時組織となり
海軍は幕僚府の指揮系統に組み込まれている。

旗将
戦において指揮官が己の旗を掲げることから
元は軍の指揮官をさしていたが、
幕僚府が政治を行うようになってからは
侍の領主のことも指すようになり、
海軍は出来てからは艦隊指揮官のこともさすようになった。
領主としての旗将は侍としては最高の地位。

天原由良(あまのはらゆら)
ダイワ幕僚府第16代統幕将(961〜982)
鉄の女、氷の統将、男衆の女、などと言われているとおりき、
男勝りなきつい性格で知られるが、
実際は普通に女性らしい面もあったという。
内政改革を推し進め1000年時の政治体制のほとんどは
彼女によって形作られた。
930年生、992年没

リュウジョウ・ハルナ(龍驤春奈)
統将家直参侍の龍驤家の一人娘として生まれる。
テーヴァ海軍正規艦隊総旗将(963〜967)
のち海軍奉行、老議などを勤める。
見た目、精神的にも肉体的にも細い印象を受けるが
勤め上げた職務はどれも激務で有名なものばかり、
にもかかわらず疲れを見せなかったという。
ときおり突然倒れたかと思うと眠っていて
周囲の者を驚かせることがあったというが。
922年生、1000年現在アディンバル在住

開国戦争
800年代〜900年代初頭の開国を巡る内戦の総称。
数々の名将や名戦士・術師が現れては消えていった。
琉遁 剄、凛碌 昂などによって終戦へと導かれ、
のち開国にいたる

継承戦争
554年、
当時テーヴァを実質支配していたサヅカ幕僚府の
香久山家の血統が途切れたことにより、
次の支配者を巡って国が東西に割れ、
10年間にわたって繰り広げられた内戦。。
現統将家である天原家の天原日向は西軍副大将として参加。
最後の決戦で総大将であった霧島悠斗の戦死により
統将となることになる。
内戦中盤、膠着状態であったところに王家が西軍についたため、
西軍が優勢となっていった。

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結局夏の間に終了は無理でした(^^;
さて、また設定大量伏線無しというとんでもない物に。
次回もこんなでしょうかねぇ。
それではこれにて。